230426 真壁をどう料理するか

『紀の川市の家』

リフォームあるあるとして、真壁をどう料理するか問題がある。
ここで、真壁というのは和室などで多く見られる柱や鴨居がそのままあらわれた納まりのことを言って、特に3.5寸角の柱の太さは和風建築独特の雰囲気が漂う。料理するというのはこの和風という雰囲気をどう払拭するかを考えることを意味する。
有田の家3』では鴨居の上を大壁にすることで対応したのですが、有田の家3のような重層して部屋がつながる田の字型プランとは違い、2部屋だけの和室ということであまりその効果は期待できない。今回はその見え方が変わるという意味で白に塗装する計画としました。
大壁にすることと共通しているのは、その材から受ける情報を減らすということ。大壁の場合は柱の存在そのものを消したのに対して、白に塗装することでヒノキの質感からくる和風の雰囲気を消すことを試みます。
その材にこびりついたイメージを操作することで見え方を変える。そういう視点で材料と向き合うとまた面白い展開を楽しむことができます。