230512 浄瑠璃寺
京都は木津川市にある浄瑠璃寺.京都といっても奈良との県境にある(東大寺などからも近い)。打合せの後、15分くらいのところにあるからとご紹介頂き行ってきました。
日本の建築空間(P.48~)にも掲載され頭の片隅にあった建物。(ちなみにこの本は名著で今でもことある度にめくる。amazonでは高額になってしまっていますが。)
1枚目の本堂、2枚目の三重塔は国宝。共に藤原時代(894~1185)。細かな説明は色々とありますが、ここでは建物と庭の配置の意味だけでも知って頂ければということで少し書いておきます。
真東に三重塔、真西に本堂が配置されその間に池があって回遊する道がつく。三重塔は過去世、写真を撮った位置は現世、本堂は来世を意味している。本堂の中には理想の未来にいて、進んでくる衆生を受け入れ迎えてくれる来世の仏(阿弥陀如来)が鎮座する。この意味を知っておくだけで阿弥陀如来の表情が何でも受け入れますよと穏やかなのが理解できる。
さて、現世から来世を見た時に本堂が建つ向こう岸を彼岸と言う。そうあの彼岸はここからきている。
春分、秋分「彼岸の中日」には本堂の中央背面に太陽が沈んでいくように配置されていて天文学を使った壮大な仕掛けがこの配置には取り入れられている。真東に位置する三重塔から昇った朝日に照らされ、本堂の中に鎮座する阿弥陀如来像の表情が照らされる。考えただけでもゾクゾクさせられる仕掛けだと思う。
クフ王のピラミッドに冬至の日だけ光が入る部屋があるという話にも似ていて面白い。
■真東に位置する三重塔
⇒三重県は浄瑠璃寺からすると真東になる。ひょっとして語源になってるのでしょうか。。。
■九体の阿弥陀如来像が鎮座します 彼岸の中日に行ってみたい