230318 唐招提寺(とうしょうだいじ)・奈良市五条

打合せの後、ずっと行きたかった唐招提寺に立ち寄った。
チャンスは何度とあったのですが、
しばらく大改修が行われていて行けていなかった。

唐招提寺は奈良時代(8世紀後半)に中国の僧、鑑真和土により創建された。
お目当ては国宝の金堂。
建築様式は天平様式(教科書に出てくる)、豊かな量感と簡素な美しさを兼ね備えている。
特に注目は正面に並ぶ八本の柱。
エンタシス(真直ぐではなく中央部が少しふくよかに膨らんだ)の加工がされ、
遠くはギリシャ、パルテノン神殿の影響を感じずにはいられない。
エンタシスの加工、加えて正面の柱の本数も同じというのもワクワクさせられる。

仮に、鑑真がパルテノン神殿の存在すら知らずに美しいプロポーションを追い求めた結果
8本の柱やエンタシスの加工に至ってしまったのであればそれはそれで興味深く
人間が本質的に美しいと感じることに絶対的な基準が存在するのではと考えさせられてしまう。

敷地の東奥に新宝蔵という建物があり、その中では当時の仏像を間近で見ることができました。
京都で見る洗練された印象とは違う、ふくよかで優しさを感じることができる仏像で
それらが約1200年前からずっと存在していて今目の前にあると考えるだけで
感慨深くなりました。奈良時代面白いです。