230819 不動産と飽きることと変化すること

『紀の川市の家』

建築は不動産で一回作ると基本的には形が変わらない。
人間誰しも同じモノを見続けると、慣れが生まれ飽きてくる。人間が年をとるのを避けられないように、この慣れと飽きも避けることができない。そこで何か手はないかと考えている時に変化するものを取り入れれば抗することができるのではと新たな視点が生まれた。京都のお寺が何百年も飽きもせず魅了し続けるのは庭の変化が絶えず起こっているからで建築にフレーミングされた変化する庭を人は見ている。どんなに優れた建築であってもこの変化が内在していない建築は退屈で消費されてしまう。
そのような視点(問題意識)を普段から持っていてはじめてこの建物を訪れた時も、窓の外にチラチラ見える緑がポイントになると考えた。この計画では、外の緑と内部の木の温もりがセットになっていて、ジャスパーモリソンのペンダント照明が空間に拠り所を生み景色が完成しています。変化を取り入れた計画は非常に豊かなものになる好例になったと思います。

■良いリフォームになりました