250417 有田の家4
『 有田の家4 』
2年前に引き渡しさせて頂いた有田の家4。
モルタルの補修と、洗面台に引き出しの追加ということで久しぶりにお伺いさせて頂きました。
天気も良く、せっかくなので三脚を据えて撮影をさせて頂きました。
庭はお施主さんの自主施工でコツコツと仕上げられ、建物正面の植栽は繁茂しすぎた下草を除去して新たにアオダモが植えられていました。
建物は軒先を低く抑え、地面からの連続性が生まれるよう丁寧に段差を処理し外と内の連続性をつくっています。庭との距離感が非常に近く感じられるので室内に居ても外に出たくなるような気持ちになります。
夏には、木製建具の窓をガバッと開けて小さなお子様達がプールに入りテラスで冷えた体を温めるという利用をされたとのこと。
洗濯室が南側に設置されていて、庭→直接洗濯室へ入り水着を脱いで→浴室でシャワーを浴びて→リビングに戻って麦茶を飲んで→テラスで体を温めるというサイクルがうまく機能していたという話を聞きました。建築計画をちゃんと勉強していて良かったと、机上の空論が実現する醍醐味を味わった次第です(笑)。
お若いご夫婦、お子様も小さくまだまだ育児で多忙ななかかと思いますが、丁寧に家具類が選ばれているのが伝わってきます。今度、ダイニングテーブルの上にペンダント照明を購入されたということで、取り付けの際はまた声を掛けてくださいね。
リビング中央にある柱には、子供さんが柱の角で怪我しないように縄紐が巻かれていて日々の生活を垣間見ることができました。
さて、建築の難しいところは、手を離れてお施主さんの生活に渡っていくところ。設計の段階で、建築としてあまりにもやりすぎてしまうと後から色を足すことができず窮屈になることもあります。
何も無い壁だけつくっておいてそこに良い具合に光が入れば自然と何か置きたくなるように仕掛けとしては考えておいて、後はお施主さんに期待して放り投げる感覚というのもとても重要な気がします。今回も玄関に置かれたキャビネット、その上に掛けられた鏡なんかは「おぉ~、鏡そこに掛けるか~」と感動した次第。最後のカットは玄関横の納戸からキッチンをみたところで、奥様から教えて頂いたアングル。光の入り方がきれいとのこと。うぅ~これは凄い感性と思いつつそういう発見も楽しみながら訪問させて頂きました。 引き出しできましたらまたお伺いさせて頂きますね。