250703 どこを残すかどこを触らないか
『日高の家』
こういう改修工事の場合、都度問われるのはどこを残してどこを触らないかということ。昨今民泊ブームもあって古民家を改装して再利用する事例を多々見ることができますが、このどこを残してどこを触らないかという視点で事例をみていくとそれぞれに違っていて面白い。
今回の日高の家は住居を前提としているので、耐震補強、断熱補強を丁寧に行っている。小屋梁や土壁表しで、どど~んと空間をつくるのも一案ですが、現実的には隙間風や虫、冬場の忍耐を必要とする寒さ等々、写真で写らない現実があって期間限定利用の民泊やレストランであれば良いとしても、お父さんが生活される環境としては心地良さを担保してそのバランスをはかる必要があります。ここは多分に、設計士の性格に依存する部分かと思っていて、僕自身寒いのはあまり好きでないし、虫も苦手なのでそういったところが端々に反映されています。
◆素朴な仏間:照明器具を抽象的な造形のものとすることでモダンな印象になりました
◆モンドリアンの抽象画のような玄関:式台をまわしてLDKをグルグルまわれるようにしました
◆板戸は再利用して、障子は作り替えました
◆ロケーション:キッチュな装飾は不要