250527 拝啓 ものづくりにかかわるみなさまへ
『日高の家』
津村タテグさんの工場(こうば)においていた端材。よく見ると、杉材の芯を堅木に入れ替えている。
何の為にこんなことするんですか?と聞くと
杉は柔らかいのでスクリュー釘を打っても木の反りで釘が抜けやすいからと。
ちなみにこの部材、雨戸の板部分に裏打ちされる桟に使われる。
そう、仕上がってしまうとこの堅木は全く見えない。ただ、ただ、品質を担保する為だけに入れられた一手間。
これって当たり前にするんですか?って社長に聞くと、微妙な一線で職人次第とのこと。
でも、職人がこんな仕事黙ってやってたら社長である僕はしないわけにはいかないので、やりますと(笑)。
養老孟子さんが、何かの著書で不信コストという言葉を使っていましたが、
性悪説に立って物事が進められると、それを見張る為のコストが異常にかかり本来必要なところにコストが使えない。一方、戦後日本の復興が急ピッチに進むことができたのもこの不信コストが少なく、性善説にたったモノづくりがなされた結果という文脈で使われていたと思います。
脱線しましたが、この一手間自分だったらどうかと問いかけられている気がしたので端材、頂いてきました。