250910 美術の歴史と歴史の美術-和歌山県立近代美術館

美術の歴史と歴史の美術を観に和歌山県立近代美術館へ。和歌山県立近代美術館、設計は中銀カプセルタワービル国立新美術館で有名な故黒川紀章。当時を知る人によると、黒川紀章対策費として1億円見積りに含まれていたとか(真意は定かでありません(笑))。本題はそこではないので事情は割愛。

さて、訪れた目的は李禹煥/Lee Ufan(写真3枚目)と杉本博司>(写真4枚目)の所蔵品が観れるということで。後からビュッフェファイブさんに教えて頂いたのですが、今回の展示は和歌山大学の学生とコラボの企画展示だったようです。

たくさんの作品がある中で高井貞二さんの作品が印象深かった。その中でも従軍画家として戦地での様子を描写したスケッチが良かった。一般的に、戦時中の様子を描写したものは怖く、暗くというものが多く少し苦手ではあったのですが高井さんのスケッチからはそういった匂いを感じることなく氏の眼差しによるものなのか、生活の営みやユーモアを感じさせてくれ不謹慎かもしれないですがその明るさが良かった。忠実に物事を描写してしまう写真とは違い、スケッチというのは抽象化することで描いた人の眼差しがより浮き上がる面白さがあります。スケッチすること=忠実に物事を描写すると思いがちですが、それを突き詰めると写真で良いよねってなるので、何が心に響いて何を表現したいのかが明確になれば後は、適当又は割愛できるのがスケッチの醍醐味だと思います。

会期残りわずかですがスケッチに興味ある人は是非足を運んでみてください。