250901 草間彌生 版画の世界―反復と増殖/京都市京セラ美術館
8/24(日)草間彌生 版画の世界―反復と増殖/京都市京セラ美術館に行ってきました。
京セラ美術館は昨年の村上隆 もののけ京都以来。(前回とは違い展示の様子は撮影不可でした。村上さんのスタンスが如何に画期的だったかわかる)
さて、草間さんと言えば直島のかぼちゃのオブジェが有名で作風云々は興味ある人は調べてみてください。今回の展示では1979年に版画作品を初めて発表した時の作品から、今に至る草間さんの46年間の流れが一気に観ることができたのは面白かった。初期の頃のドラゴンボールやワンピースなどを見ると明らかに作風が今とは異なり、どこか昔風の雰囲気が漂うもので時間が経つにつれて、絵描きとしての技術の向上、考え方の変遷、時代背景、またCG技術の進化により描き方そのものの変化により描写が変わっていくものだと考えていたのですが1979年のドレス(個人的にはこれが一番良かった)という作品が今年発表された新作ですと言われても、時間経過によって漂う古さを感じさせない確立されたスタイルをみることができたのは面白かったです。
この、時間経過に伴い変化しない普遍的なスタイルを生んだのは何なのかはわりませんが、映像で草間さんの描く様子を観察していると下絵無しで一気に描かかれていることに驚かされます。そして、途中まで仕上がってくると『もう完成したようなものです』ってコメントされていて、つまり草間さんの頭の中にスタートの段階から完成した絵があるとのこと。草間さんは幼少期から、視界が水玉や網目で埋め尽くされたり、花が話しかけてきたりする幻覚・幻聴に苦しんでいたと解説にありましたが現実と空想との垣根がなくて本人もそれがわからないので絵を描き始めたと言うことからも、そもそも頭の中に完成した絵があってそれを現実の世界に落とし込む圧倒的な技術が下支えとなって世界観が作られているかと。これ以上勝手な想像をするとそんな単純なものでないとお叱りを受けそうなのでやめときますが、この時間により影響を受けない作風というのはこんなこともあるんだなぁ~と発見になりました。余談ですが1979年というのは昭和54年で私が生まれた年になります(羊年)。それを踏まえるとより時間経過の長さ、世の中の変化を身をもって想像できるので余計に驚きがあったのかもしれません。