250219 人形の西岡 5月人形撮影

いつもお世話になっております
人形の西岡さんの5月人形の広告用写真の撮影をさせて頂きました。

普段、建築写真を主体としているので
物撮り用のレンズは持っておらず商用写真としては力量不足かと思います。

一方でこういった写真は
いわゆる被写界深度を深くしてすべてにピントを合わせたカタログ写真が主流なので
違う視点からのカットというのは
広告として新鮮味があって一定の効果があるのではと思っております。

実際、折り込みチラシを手に老齢の女性が
自分用に人形を購入されたといった
エピソード(何人もいらっしゃるようです)なんかを聞くと励みになります。

さて、長年撮影をさせて頂くとなかなか見る目も肥えてきて
他で売られている人形との違いなどに気付けるようになってきます。

雛人形や5月人形というのは
普段から見慣れているものではないので
値段や着物の色、人形の大きさがぐらいが判断基準かと思いますが
ず~っとみていると違いが見えてくるもので

僕なりの見解を一言で言うと、良い人形というのは
どの角度から見ても破綻がない』ということになります。

顔の大きさに対して手が極端に小さかったり
正面からは良いのですが斜めから見ると顔が扁平だったり
着物とボディーがフィットしておらず着物がぶかぶかだったり
目の墨が雑に書かれていたりと少し何かおかしい部分があります。

下の三体の写真をみて頂くと
これだけアップにしてもしっかりとした表情で
顔の輪郭、目、髪の毛の墨入れ、着物と顔の相性に破綻がないのがわかって頂けると思います。

改めて考えると人形はその子に一生つくもので
守り神のような役割や、厄除け、縁起物としての意味合いがあります。
つまり、分身みたいなもので文字通り一生ものとなります。

老齢の女性が改めて自分用に買うというエピソードのように
子供の時から毎年飾って自分がおじいちゃんやおばあちゃんになってもずっと飾り続けるということを
考えると、この破綻の無い美しさというのはとても価値あるものだと思います。