240409 村上隆 もののけ 京都
村上隆 もののけ 京都を観に京都市京セラ美術館へ(※改修は建築家青木淳:知らずに行きましたがアプローチの構成などとても良かった。建物だけでも一見の価値があります)。
知識や先入観の無い息子達は、何かのアニメキャラクターがわぁ~と並ぶ展示にしか見えていないようでしたがそれはそれで記憶の片隅に残ってれば良いと思います。
さて、こういった作品の展示を観る時に以前は無意識に観て凄いと感じるものが凄い。だから、勉強等せずにただそれを観てどう思うかが大事なんだと思っていてバックパックを背負っていた頃はルーブル美術館の中をただ何も考えずに早歩きで通り過ぎていました(※今では凄く勿体ないことをしてたと思います)。
しかし、歳を重ねると文脈の中で作品を捉える、観ることの楽しさが少し分かるように、楽しめるようになってきました。
例えば、今回展示されていた『風神・雷神』について。
これをただ気の抜けたコーラのような絵と思っていてはそこで思考は止まってしまいます。
歴史という文脈の中で捉えてみます。
三十三間堂にある鎌倉時代に作られた国宝風神・雷神像。
まずはこの像を観て頂き、鎌倉時代に表現された風神雷神像、令和時代に表現された風神雷神の絵として捉えます。
100年や200年後に、この令和時代の風神雷神を観る人が何を感じるか。戦う必要のない平和な時代において、風神雷神に隆々の筋肉は必要なく頭だけが大きくなって手足は細く、なんとも緩い時代。それを村上隆は表現したと解説にはありました。そう、今の時代に今の人がこの絵を観ると気の抜けたコーラのような絵(※悪口ではありません)に観えるかもしれませんが歴史という時間軸のスライドをずらしてみると、おぉーこういう時代もあったのねって歴史的意味が出てくるように感じます。このような絵を、名もない絵描きが描いたとしても何も評価されることはなくて(※むしろ怒られそう)、そこを立派な作品として認知させる、世界観の作り込みがあっての村上ワールドということなんだなぁと観ることができます。
ご覧になられる方は、100年や200年後、もっと後の人がこれら作品を観るとどのように感じるかを想像しながら観て頂くと印象が変わってくると思います。
■風神、雷神
■DOB君