六十谷の家2musota2 house
六十谷(むそた)駅近くに計画された、30代ご夫婦と小さなお子様の為の家。
もともと長屋が建っていた土地で、周囲は倉庫や背の高い建物があり、視界の抜けが確保できるのは前面道路がある南側と北側の一部に限られました。
一級河川である紀の川の近くということもあり冠水対策として基礎を高くしたことでリビングや台所からの視線が高くなり、前面道路を歩く人との視線が交錯することなく南側に対して開くことが可能になっています。
また、北側の一部抜けていた部分に面して階段室を設け、北側からの落ち着いた光を確保し風が通り抜ける道として積極的に窓を配置しています。
リモートワークで仕事をされるご主人の為に仕事部屋を確保することが求められ、+αとして気持ちの切り替えができるように屋上階にテラスを設け、外の空気が感じられる仕掛けを作りました。
間取りでは、ご夫婦共々ご自宅でゆっくりされる時間を大事にされていたこともあり、様々な居場所をつくることで退屈しないよう工夫がされています。先程のテラスをはじめ、踊り場に設けられた勉強机、高基礎空間を利用したパントリー、玄関から居間の間に設けられたヌック。ヌックについては、クッションや本棚を設置することで読書やおむつ替えのスペースとして居心地良いスペースとしてご利用頂いています。
このように、1階にLDKスペースに加え畳室やヌックなどたくさんの居場所を作ることができたのは2階に脱衣室と浴室を設置したからで、このような水廻りを1階に集めてしまうとどうしても、1階が窮屈、2階が間延びした間取りになってしまいます。特に街中においては視界の抜けや風通しが期待しにくい為、上下階の間取りを丁寧に紐解きながら間取りに反映させることが重要になってきます。
ステンドグラス(アトリエ・アゴ製作による)やヒノキ(紀州材)の床材、左官(薩摩中霧島壁)の壁とも相まって室内はとても温かで柔らかい雰囲気が漂っています。
概要
- 主要用途
- 専用住宅
- 建築場所
- 和歌山市六十谷
- 敷地面積
- 159.88㎡
- 延床面積
- 140.84㎡
- 構造
- 在来軸組工法・2階
- 竣工
- 2022年
- 受賞
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- ブログ
- https://tsujichika.exblog.jp/i68/