有田の家4arida4 house
もともとは畑だったところを造成した土地。
土地が広い為、2階建てとする必然性が感じられず平屋建てとすることで計画をスタートさせました。
坪単価で考えるとどうしても割高(屋根や基礎面積が大きくなってしまう為)になってしまう平屋の計画。
建物の平面をシンプルな長方形とし片流れの屋根を全体に架けることでコストを抑える工夫をしています。
建物の輪郭、おおよその方針を決めてからご夫婦のライフスタイルを紐解きつつ間取りを決定していきました。
旦那様は朝が早く漁が終われば帰宅され仮眠されることもある。
看護士として働かれる奥様は昼休みに一度帰宅され昼食と家事を済ませてから職場に戻るといった平日を過ごされています。
この家の間取りはそんなライフスタイルをトレースするように計画されていて朝早く出ていく旦那様が家族を起こさないように服を着替えて→顔を洗って→軽食をつまんで→合羽を着て→家を出るが1つの動線でできるように計画され日中、旦那様が仮眠されていたとしても奥様は気兼ねなく昼食や家事を済ませることができるようになっています。
このシナリオには、建物中央に配置された洗濯室とクローゼットが大きく寄与していて仕事着やお子様の服など毎日多くでる洗濯物の流れを単純化するだけでなく共用部と寝室とのバッファーゾーンとして音や気配の問題を軽減することにつながっています。
片流れの屋根形状そのままにLDKの天井を勾配天井として天井の低い部分では落ち着きを、高い部分では開放感が生まれるよう窓の配置や使い勝手を対応させています。
北欧に行かれたことがある奥様のお話を聞きながら計画を進めたこともあり仕上がった空間は親密感と温かさを感じる北欧的な空気感が漂っていて引き渡し直前に2子目が生まれ、掃き出し窓の前に置かれた木製のベッドとそこにあたる冬の温かな日差しを見た時により一層、その印象を強く感じることができました。
概要
- 主要用途
- 専用住宅
- 建築場所
- 和歌山県有田市
- 敷地面積
- 529.40㎡
- 延床面積
- 110.63㎡
- 構造
- 在来軸組工法・平屋
- 竣工
- 2022年
- 受賞
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- ブログ
- https://tsujichika.exblog.jp/i69/